みんなでまわせ交換日記! 国境を越えてどこまでも!
2007
男はなんか高い崖の上に立って、断崖絶壁に当たっては形を崩してもとある海へ帰りゆく波を見つめた。ざばあん、じゃららん。波が軽快な音を立てて、男の立つ崖を削り落とそうと躍起になっている間に、男は振り返って、沈む夕日を見つめた。
「走れメロス、始まります。先に行っておきたいことはたった一つだけです。
ここからは偉大なる作者、太宰治さまへのほぼ謀反のような話が始まります。作者様の愛と勇気と信頼、明るい未来に向けての跳躍を愛している方、およびわたくしたちの作る作品に嫌悪感を感じる方、「ふざける」という言葉が大嫌いな血を持った方は閲覧をお控え願います。ちなみに難しい事を言っていますがぼくの頭の中は ぱあ です」
そう言い残すや否や、男は走り去っていった。
後に残るのは、立ち上がる土ぼこりと、打ち寄せる波の音だけだった。
「走れメロス、始まります。先に行っておきたいことはたった一つだけです。
ここからは偉大なる作者、太宰治さまへのほぼ謀反のような話が始まります。作者様の愛と勇気と信頼、明るい未来に向けての跳躍を愛している方、およびわたくしたちの作る作品に嫌悪感を感じる方、「ふざける」という言葉が大嫌いな血を持った方は閲覧をお控え願います。ちなみに難しい事を言っていますがぼくの頭の中は ぱあ です」
そう言い残すや否や、男は走り去っていった。
後に残るのは、立ち上がる土ぼこりと、打ち寄せる波の音だけだった。
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メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を――暴君ディオニスを――倒さなければならないと、かたくかたく決意した。
メロスには漢字が分からないくせに何故か自分の名前を「女露素」と書けるという特技があった。一見強そうな名前だが、この漢字たちから想像できることは単なる露出狂である。けれどもメロスは知らなかった。彼の可憐で優しい妹、ローズは知っていたが、兄のあまりにも自信に満ち溢れた姿を見ているうちに言えなくなってしまい、今日もメロスは高らかと「女露素」を掲げて村で過ごしていた。
走れメロス・序 ~メロス、街へ出る~
ローズには婚約が迫っていた。その祝儀の品々を求めにメロスは竹馬の友、セリヌンティウスが住まう大きな町に出た。
「兄さん駄目よ領収書にはカタカナで名前を書かないと駄目」という妹の不可解な言葉(メロスはこの漢字が書けることを誇りに思っていた)(一体どこなんだこの国)に首を傾げつつ、領収書には全てカタカナでサインをし、どっさりかさばる荷物を手にセリヌンの元へと向かうメロスの目に、しょぼしょぼと歩く老人を見つけた。
次号、『おじいさんとディオニス(仮)』
→陽さんに回せ!
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